私は

高校の頃、国語の資料集で見つけて以来、

心にこびりついている詩がある。

新川和江 氏の「わたしを束ねないで」だ。

当時の僕は、その詩を

「勝手に自分をカテゴライズすんじゃねーよ、と周囲に対して言っている」くらいに解釈していた。

でも音読すると、なぜか自分の心が軋むような感覚もあり、

不思議な詩だな、とも思っていた。

ときは流れ、当然のように大人になる。

20代も後半に差し掛かったある日、

ふとまたその詩が、頭をよぎった。

でも、驚いたことに、捉え方が変わっていた。

この詩は、自分で自分に「カテゴライズするな」って言ってる詩なんだ!!

それまでの自分の経験が、他人の言葉にバチッとはまって、

パズルが解けたみたいな気持ち良さを感じた。

大人になると、やるべきことは増えるし、

それに伴って務める立場も増えていくんだけど、

完全に一つの枠にはまってしまうのは、

まだ少し早い気もする。

僕は学校事務職員?鍵盤弾き?世帯主?

幸運なことに、僕の周りにいる人は、

それぞれの枠の中にいる僕を、とても評価してくれている。

でも、そこに甘んじちゃいけないと思うんだ。

どの枠の中にいても、自分自身が納得できる自分でいること。

30代はそういうところにも、少し無駄なくらい力を入れていきたいな。

そういえば、大人になって、捉え方が変わったものが、もうひとつ。

Mr.Childrenの「くるみ」のPV。

昔は、全編に渡って泣ける映像だったけど、

今は、2分21秒のおっちゃんの感受性と

3分11秒のおばあちゃんの構図にのみ、グッときて涙ぐむ。

なんでだろ。笑

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